超回復って嘘?筋トレをする方に知ってほしい正しい知識

トレーニング

厚生労働省のHPでも「超回復」について記載されていますが、実はこの理論は正式ではないんですね。

超回復については東京大学教授の石井直方教授も言及されており、1つの考え方として取り入れることが重要かもしれません。

この記事では、

・超回復とは
・超回復の活用方法

などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。

 

超回復とは

超回復とは、以下の通りです。

筋トレ後に強くなる現象のこと

超回復とは、

筋トレによって疲労した後、回復して以前よりも少しレベルアップするという現象

のことをいいます。

イメージとしては、以下のような波のことですね。

こういった波が上がってきたタイミングで筋トレをすると、よりレベルアップができるといった意味合いで使われていることが多いと思います。

厚生労働省で記載される「超回復」

厚生労働省のHPには、超回復については以下のような記載があります。

筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。

引用:厚生労働省HP「筋力・筋持久力」

ここまでの流れで、何となく超回復のイメージはできたと思います。

ただ、実際のところ「超回復」という理論は、正式なものではないんですね。

 

超回復は正式な理論ではない

トレーナーの方でも、上記のように認識の方もいると思いますが、超回復とは正式な理論として使われている言葉ではありません。

特殊な条件下では超回復は確認できる

超回復という言葉が使われるようになったのは、

・筋トレで疲労し、それが回復する
・その過程で以前と同じレベルに回復するだけでは筋肉は強くならない
・筋トレを継続すると、以前よりも筋力が上がる
・筋トレ後の回復期で、以前よりも強くなっているはず

こういった仮説が研究などで出てきて、疲労が回復することで前のレベルを超えることを超回復と呼んだそうです。

ただ、この回復過程を実際に見た人はほとんどいません。

実際に特殊な条件でトレーニングをすれば、超回復を確認できることもあるそうですが、普段やっている筋トレでは分からないというのが現状なんですね。

つまり、

一般的に言われる超回復は、あくまでも仮定の話

というのが、正確な超回復の理解となります。

筋肉は筋トレ後72時間で回復しないこともある

超回復が起こるタイミングは、

筋トレ後、約48~72時間後

と言われています。

ただ高強度の筋トレをした場合などは、72時間経っても完全に疲労が回復しないこともありますし、2週間前後かかることもあります。

東京大学の石井直方教授は、著書「石井直方の筋肉まるわかり大事典」の中で、超回復についてこのように書かれています。

慣れない特殊なトレーニングをした後は、完全に回復するまでに10日~2週間ほどかかることもあります。トレーニングから何日をあければ回復するかというのは、一概に判断できないのです。

回復期には筋肉の中でタンパク質の合成が高くなります。栄養素として摂ったアミノ酸を合成にして新しいたんぱく質をつくり、筋肉を太くしようとするからです。

その合成は48~72時間後ぐらいまで続きます。そこでおそらく筋肉の修復・合成が一段落すると考えられます。超回復が起こっているとしたら、その時でしょう。

石井直方の筋肉まるわかり大事典:30-31ページより引用

つまり、

一般的に言われる超回復が起こるタイミングで、必ず超回復が起こるわけではない

ということです。

ぜひこの著書も参考にしていただきたいと思いますが、超回復に対する考えは以下でお伝えする内容が適切ということになりそうです。

この本については「トレーナーが厳選!筋トレの参考になるおすすめ本8選」で詳しく紹介しています。

1つの考え方として超回復を活用する

上記のことから、超回復という現象そのものを考えるよりも、

筋トレで同じ部位を鍛えるなら、最低でも48~72時間あけた方がいい

という目安として超回復を見た方が適切かもしれません。

こういった考え方をもとに筋トレの頻度やスケジュールを調節すれば、筋肉が回復した状態で次の筋トレを行いやすいと思います。

超回復という理論が存在しているという認識が強いかもしれませんが、まだそこまで明確なことはわかっていないということですね。

 

疲労回復を早める方法

では、次回の筋トレをより良い状態で臨むためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?

大きく分けると、以下の6つがポイントになります。

1、ウォーキングなど軽く運動する
2、筋肉を自然な長さに戻す(ストレッチング)
3、身体を軽く揺らす
4、お風呂などで身体を温める
5、適切な栄養補給・食事を摂る
6、睡眠時間を長くとる

こういったことをすることで疲労回復が早まり、次回の筋トレで良いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

具体的な方法は以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考に実践してみてください。

今回は、超回復について解説していきました。

・超回復は、正式な理論ではない
・特殊なトレーニングの場合に超回復が確認できることもある
・ただ、通常の筋トレではあまり超回復は確認できていない
・1つの考え方として超回復を見ていくことが重要

今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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